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(5) 進入灯接合部構造の研究 (11年)

浮体と進入灯部を連結する構造として連絡橋方式が提案されていたが、可動部を極力小さくした経済的な接合部構造を設計検討により開発した。進入灯の機能(見え方)についてはフェーズIで既にシミュレーターで実験し、問題ないことを確認している。

また、類似構造である鉄道連絡橋についても試設計を行い、この連絡橋で列車の高速走行性について専門研究機関に評価してもらった。その結果、更に検討すべき点はあるが、異常海象時以外は時速110kmの走行も可能との評価を受けた。

 

1.4.2 空港機能シミュレーション技術の研究開発

(1) 浮体挙動の研究 (10年)

空港機能シミュレーションの実施及び航空機シミュレーターヘの挙動の組込みにあたり、フェーズIで開発した浮体の挙動を計算するプログラムを高速化すると共に、特殊な形状にも適応したり、部分的な剛性や重量の変化にも適用できるようにするなどの改良を行った。これにより、複雑な形状の構造物でも容易にシミュレーション計算が可能になった。

(2) 計器着陸装置検討のためのシミュレーションプログラムの作成 (10年、11年、12年)

計器着陸装置(ILS/GS)は地面からの電波の反射も利用するため、計器設置点での傾斜のほか、ある特定の範囲の浮体上面の変形を時系列を追って知る必要がある。このような計算が出来るプログラムのベースはフェーズIで開発しているが、この特殊な用途に適合するアウトプットが素早く出るようにプログラムを改良及び追加し、浮体空港モデルで検証した。このプログラムでは不規則波中の弾性挙動も計算できるようになっている。

(3) 気象・海象観測及び浮体挙動計測 (10年、11年、12年)

観測データを必要とする関係者が集まり、検証すべき項目を確認し、この確認事項を基にして、測定項目、測定個所、測定精度等を含む計測システム構築し、機器の準備をした。また、新たに波浪推算システムを導入し、精度が高いことを確認した。

実験中は予定通りデータを取得することができ、これらを各種プログラムの検証に利用する事ができた。

 

1.4.3 着陸用計器の研究

(1) 次世代航空管制システムヘの適合性の研究 (10年、12年)

現在開発過程にある次世代航空管制システム(FANS)は人工衛星を使って航空機が自身の位置を高さ方向も含めて確認できる装置である。現状の開発状況調査を行った上で、浮体空港の場合は潮の干満による上下が航空機に及ぼす影響を専門の機関に調査してもらった。その結果、広域補強システム(SBAS)は技術的にほぼ完成しているが、狭域補強システム(GBAS)は開発過程であること、SBAS、GBASとも技術的な問題は無いことが分った。しかし、最終判断をするためには装置開発後のチェックが必要であろうとの条件がついている。また、高さ方向には10m程度の変位は問題がないとされた。

(2) 電波形成の研究 (10年)

計器着陸装置(ISL/GS)は地面(浮体空港モデルでは鋼板上面)での電波の反射を利用するが、浮体構造物の端部や鋼板上面にある全てのもの、更には鋼板上の舗装などでも電波によるパス角が変化し、特に舗装の場合には舗装上と舗装を通過して鉄板で反射した電波の多重反射現象が起こることが分っていた。

 

 

 

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