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おわりに

 

第1部で調査結果の要約を、第2部でそれを施設の種類別、規模別、設立後の年数別に分析したが、一般に厳しい経営環境の中で、それぞれの施設がその経営に努力され、入所者等の処遇についてはもちろん、職員の労働条件についてもかなりの配慮が払われているように感じられる。

社会福祉関係の職域の今後の在り方については本格的な高齢化社会を迎えようとする中で、国全体としても具体的な哲学と方向性をもって真剣に取り組むべき問題であると考えられる。その過程で、福祉関係の職域全体に対する社会的評価も次第に確立されていくことになるものと考えられるが、その中で、施設運営がマンパワーに依存する度合が高いだけにその中心となる福祉関係職員の労働条件についても必要な整備が図られていくことが望まれる。

以上のような見地に立って、個別の問題についてあえて踏み込んで指摘すると次のように言える。

ここに現れた結果が福祉関係職場の全容を示しているとは限らないこと、また、賃金を始めとした諸条件は、地域の事情等に応じ一概には評価しきれないものであることを前提としつつ、最後に各調査項目ごとにその結果について概評し、今後の福祉関係職員の労働条件の改善に資することを期待するものである。

 

1 福祉関係職員の雇用動向について

 

直接処遇職員の採用については各施設ともに問題なく行われている感はあるが、一方で退職率も高く、利用者に対して良質で均等なサービスを安定的に提供できるのかという観点からすると、若干の危倶がある。また、職員個々の一施設における勤務期間が短いことは、年金の受給資格の問題等と関連し、職員が将来安定した生活を過ごせるのか危惧される面もあり、長期に安定した雇用が行われるような改善が望ましい。

 

2 労働時間について

 

1] 週所定労働時間は、ほぼ一般民間並みと認められ、特段問題はない。

2] 時間外勤務も特段多くなく、労働時間の面からは一般に労働過重に陥っているとは見受けられない。

 

3 休日・休暇について

 

1] 年間休日数は、「100日未満」が多く、週休2日制の完全実施と合わせて更なる改善が望ましい。

2] 年次有給休暇の日数の定め方は、労働基準法どおりとする施設が圧倒的に多いが、同法は、最低限度の基準を定めるに過ぎないから、将来的には、改善の余地があるものと認められる。

3] 有給休暇の取得日数は、民間の平均をかなり下回っているものと認められ、その要因について俄かに指摘できないが、豊かさの感じられる日常の生活、ゆとりある勤務の観点からすると、休暇を取得しやすい環境作りに努めることが望まれる。

 

 

 

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