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・民立民営の福祉施設は、賃金水準が低い。国や都の事務費も削減されており、利用者の重度化が進む中、逆に職員を減らさないと運営できなくなるのではないかと危倶される。

・当施設では重度化・重複化・高齢化が進んでいる現状をみると、施設利用者に対する支援が多種・多様化していることや、今後導入される契約制度を考慮すると、我々施設職員全員がなお一層の資質向上に努めなければならないと思われる。

・労働条件を向上させなければならないのは当然だが、一方で、それに見合う、あるいは支払うにふさわしいマンパワーを集めることができるかというと、大いに疑問がある。頑張った者、実績を上げた者が報われる処遇体制にしなければマンパワーの活性化はない。

・国の職員定数基準は従来のままで、労働時間短縮・給与等労働条件の改善を図ることは、利用者処遇の低下につながらないかと危倶している。

社会福祉のあり方が変わる中で、業務は多くなることが予想される。

所定の有給休暇はあっても、事業遂行上消化できない現状にある。

 

(2) 知的障害児施設

・施設職員の労働時間及び勤務体制に関しては、国からモデル的な勤務体系を求められることが多い。しかし、実際に運営している中で、その時の施設の状況や入所者の状況によって職員の勤務体制を変えることが必要になってくる。特に児童施設の場合、初期入所期間においてはかなりの職員の指導が必要な時期とそうでないときとの差が大きく、年中を通しての安定した勤務体制が取りにくいのが現状である。

また、他の民間企業と比較して(高知県の場合)採用年次付近の給与としては水準が高いが、30歳以上になると民間企業との落差が大きくなる。特に扶養家族が大学進学するような年代での給与水準のレベルアップをどうするかが今後の課題と思われる。

・有給休暇の消化ができない。

・国家公務員給与に準じて賃金を支払っているが、低年齢者には(水準が)高く、家族を抱えている年齢者には(水準が)低いような気がする。「福祉職」給与で実施すればベテラン職員になるほど賃金が低くなる。したがってマンパワーという言葉に疑問を感じてしまうことさえある。職員の配置基準どおりに運営せざるを得ない現状、直接・間接問わず福祉従事者の処遇を良くしていかなければならないと思う。

・週40時間制を確保しながら、業務量のバランスを確保することは難しい。

・職員定数の是正と予算措置の改善を望む。

・重度障害児の処遇に当たる職員は4.3人に1人ではとてもやれない。重度加算も充分でなく、また地域支援活動に当たる職員も不足している。現在より3〜4人は増加してもらいたい。

・賃金ベースが上げられない。

・「福利厚生施設」が皆無の状態(小規模施設のため)。

勤務時間内の「休憩」が取得しにくい。

 

 

 

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