これを施設規模別にみると「50人以下」の規模の「指導員」で、「40時間」の比率が75.5%と高くなっているのが注目される。また、施設設立後年数別でみると、比較的新しい「5年未満」と比較的古い「20年以上」で、「40時間未満」の比率が高くなっているのが注目される。(第23表参照)
2 時間外勤務
直接処遇職員の月当たり平均時間外勤務(宿日直勤務を除く。)を平成12年4月の実績でみると、回答があった施設全体で、「指導員」、「寮母(父)」とも、「1時間以上10時間未満」の比率が最も高く、「指導員」で55.0%、「寮母(父)」で62.7%となっている。
また、「残業なし(残業0時間)」とする施設が、「指導員」で27.5%、「寮母(父)」で35.1%となっており、反面「50時間以上」とする施設は「指導員」、「寮母(父)」ともに1施設に過ぎず、これは何らかの特殊事情によるものと認められ、全体としては、時間外勤務は比較的少ないといえよう。そして、このように残業が少ないのは、直接処遇職員がローテーションに従って規則的に勤務体制が組まれていることによるものであることを示しているものと推測される。
ただし、後述するように勤務体制の実態をみると、日勤体制でも宿日直勤務を伴っているものが多いことからすると、宿日直勤務も時間外勤務にほかならないので、概に時間外勤務時間が少ないと評価するのは、早計だともいえよう。
月平均時間外勤務時間を施設の種類別にみると、「養護老人ホーム」の「指導員」、「寮母(父)」がともに「残業なし」が60%、「1時間以上10時間未満」もともに40%で、比較的残業が少ないといえるのに比べ、「特別養護老人ホーム」では「指導員」で「10時間以上」をすべて合わせると25%を超えている。
特に「特別養護老人ホーム」の2施設で「指導員」が「30時間以上40時間未満」、「知的障害児施設」の1施設で「指導員」、「寮母(父)」ともに50時間以上となっているのが目につく。
さらに、これを施設の規模別でみると、「残業なし」とする施設は「指導員」、「寮母(父)」とも、「50人以下」規模が最も比率が低く、規模が大きくなるに従って高くなっている。
また、これを施設の設立後年数別でみると、「5年未満」では、「指導員」、「寮母(父)」ともに「5年以上」の施設に比べ極端に「残業なし」の比率が低くなっており、その分「1時間以上10時間未満」等の比率が高くなっている。俄かに判断できないが、比較的新しい施設では、職員配置等の関係で多少時間外勤務が多くなっているということであろうか。
「特別養護老人ホーム」に限ってみると、全体として、「残業なし」の比率が他の施設に比べて低い半面、残業時間数が多い比率が高くみられるなど、時間外勤務が多い傾向が示されている。また、「残業なし」は規模が大きくなるに従って低くなっているなど「特別養護老人ホーム」では、施設の規模別全体の調査結果とはいささか異なった傾向が現れているほか、施設設立後年数別にみると、「20年以上」では「残業なし」の比率が高く、特に「寮母(父)」で50%が「残業なし」となっているのが注目される。