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民間からみた21世紀に期待される公務員像(2)

 事業名 人事行政に関する調査研究
 団体名 日本人事行政研究所 注目度注目度5


3 人材管理の視点から

 

このように見事なNPMに成功した陰には、幾多の人材管理上の新しい措置が講じられたことを見落としてはならない。その主な幾つかを取上げてみたい。

 

(1) 新しい人材評価法の導入

 

この国の人材評価は、これまではアメリカ連邦職員の場合と同様に、厳格な職務分類制度に基づくものであった。すなわち職群、職種、等級の網の目で職務が分類され、その職務の遂行に必要な資格要件の保有程度によって、個々の職員の採用や昇任さらには給与が決まるのである。したがって職員は担当職務の枠内でしか評価されない仕組みである。しかし世の中が脱工業化社会から知識情報化社会に変貌した今、人間として備えた潜在能力や将来に対する意欲など、新しい時代に必要な資質を活用するには、こうした従来型の人材評価では間尺に合わなくなってしまったのである。そこで登場したのは、ブロードバンデイング(broadbanding)による柔軟かつ予測的な新しい評価のアプローチであった。カナダ連邦職員の人材評価制度は、いま流行のコンピテンシー評価もさることながら、まずは今回のNPAに関連して発想されたブロードバンデイングの成果を、注意深く見守りたいものである。

 

(2) 公務におけるマンパワー政策

 

すでに第2表に示したとおり、定員算定にあたり、常勤職員だけではなく、パート職員や3ヶ月未満の短期雇用者など、わが国の場合、ともすれば「非人件費」から給与を支払われる職員の勤務も、この国では常勤職員数に換算していることを取り上げたい。たとえ行政労働であっても、常勤は最小限に止め、労働のピーク時には各種非定型職員に頼って、行政コストの削減を図る発想の所産である。わが国の現行制度では、こうしたマンパワー換算制度は、保健と年金の問題が障害になるが、中途採用や任期制採用が導入され始めたいま、カナダ政府の例にならい再検討の必要がある。

 

(3) 人事における差別の撤廃

 

今回の現地調査でカナダにおいて明らかになったことの一つは、性別、年齢、学歴、職歴はもちろん、居住地、勤務省庁に至るまで、雇用における差別撤廃の施策が徹底している点であった。このことは財政委員会の雇用統計に明示されているので、ここではこれ以上言及を控えたいが、女性職員の増強、複数の公用言語使用の徹底、原住民既得権の処理などの問題については、アメリカ流の促進政策(affirmative action)に類似の人権施策の推進には、今回の面接ではあまり触れられなかった。後述するように、世界にその比を見ないほどの高い海外人材吸収力を持つカナダの現状では、こうしたアメリカ型の差別改善措置は、まだ求められていないのかもしれない。

 

 

 

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更新日: 2019年9月21日

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