同女史は、1969年にフロリダ大学ロースクールを卒業して、弁護士になった。ワシントンDCに出て、上院議員の事務所やロビイストの事務所などを経て、FTC(連邦通商委員会)に3年間勤務した。71年、BRT社に役員として参加した。
その目で見ると、連邦公務員は、マネジャークラスの資質と訓練が貧弱であるという。民間部門に比べると、競争機能が不完全であるところに問題がある。ダウンサイジングが問題になっているようだが、現在の連邦公務員が、ハードワークだとは思えない。それぞれの部門での、業務に対応した適切な人事管理が必要である。
公務組織は、全体として変化への動きが乏しい。民間企業と違って、改革は難しいと思う。ただ予算などの対策を通じて、計画的に動かせる余地はあるだろう。
公務員のプライドが十分かどうかは、わからない。たとえば、内国歳入庁IRSは、職員の公衆に対する執務態度を向上させようと努めてきたし、ある程度の効果は出ている。そのような試みを通じて、公務員自身の社会性も培われるのだと思う。
アメリカの行政組織では、政治的圧力がつねに問題視されるが、行政への政治的圧力には、ある意味で行政の変化を促す役割もある。ただ、その結果が不当な圧力にならないよう、外部から監視することが必要だ。
<面接結果>
21 フィル・フィッシヤーマン氏
(AFL―CIO国際部次長)
連合から紹介されたのは国際部長の女史である。ニューヨークからFAXを入れ、面談の日時を打ち合わせたいと申し込んだ。ワシントンについて、電話で同女史の秘書と話し、8月14日にAFL―CIO本部を訪問することになった。ところが、実際に訪ねてみると、同女史は前日、民主党大会に出席のため、ロサンゼルスに出発していた。どのような連絡ミスがあったのか不明だが、国際部で相談する間、BRTのエングマン女史に時間をずらせていただき、先に面談を済ませたという事情がある。
結局、国際部次長のフィッシャーマン氏が、調査に応じることになった。この種類のインタビューでは、事前に調査の目的、内容、評価基準を説明することが必要で、そのために、相当前からE-メールや電話で説明を重ねてきたのだが、大統領選挙の年の夏という悪条件で、予定の変更が多かった。これはその一例である。