15 ロバート・K・モリス氏
(グローバル・ビジネス・ダイアローグ社長)
経団連の紹介で、あらかじめEメールで面談を約束してあった。最初、名前を「Judge Morris」と教えられたので、元判事(退職後もJudgeと呼ばれるのが通例なので)と思ったが、ただのあだ名だということだった。8月11日に事務所のあるビルの会議室で面談した。
同氏は、コネチカット州の出身で、高校卒業後、ベトナム戦争に従軍した。帰還後、71年にGIビルでブラウン大学に入学、卒業後は、新聞記者を経て74年、在米英国大使館に勤務、82年から95年までNAM(全米製造業協会)の職員だった。95年に通信部品製造企業のAMPに入社したが、99年にリストラで失職した。NAMの経験と人脈を生かして、2000年1月、ロビーイングを主とするグローバル・ビジネス・ダイアローグ社GBDを創設したというのが、簡単な経歴である。2000年7月から活動を本格化した。企業関係者を会員にし、セミナーの開催、ブックレットを出すなどの事業がその内容である。同氏は、いかにも伝統的なアメリカ人の典型で、明るく、楽天的に、事業に関する自分の活動について、具体的に語ってくれた。ワシントンDCに数多い、政治とビジネス利益を結びつけるロビーイング企業の誕生を見るようで、同氏の話は今回の調査目的を離れて、まことに興味深いものだった。