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第一に、モラール(士気)があまりない。大幅な減員によって、必要な仕事が十分に果たせないし、いい仕事をしている人間も少ない。しかし身分保障は十分なので、職を失う恐れがない。結局職場は沈滞している。以前よりは、人事管理システムの分散化は進んでおり、それは実情を知る人間が管理するという点ではいいが、業績主義の階層制度によって職位のレベルが上がることから、職位を上げるためには、実際の仕事で評価されるのではなくて、昇任のための試験を受けなければならないという点も問題である。

ただし、同氏からは、このような現状分析から、新しい時代の公務員像について、どのようなものであるべきか、どのように期待できるか、あるいは期待できないかというようなことを聞くことはできなかった。

<面接結果>

 

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12 ロバート・ダイ氏

 

(日本航空ワシントン事務所旅客営業マネジャー)

日本航空ニューヨーク支店からの手配で、ワシントン事務所のアメリカ人職員を紹介されたので、8月11日、日本航空ワシントン事務所で面談した。

同氏はフロリダ州立大でMarketing Managementを専攻した。軍隊に徴兵されたが、病気除隊し、数学担当の中学教員をしばらく務めた後、旅行会社を経て27歳のとき日本航空に入社した。以来、26年間、アメリカ国内でセールス部門に勤務している。ワシントンを振り出しに、カロライナ、フロリダなどで勤務し、再びワシントンに戻った。日本航空は特殊法人時代、ワシントン支店はオフライン支店(路線外の支店)だが、航空権益の交渉拠点として大規模な職員を擁し、運輸省ワシントン出張所とまでいわれた。完全民営化のあとは、そのメリットもなくなり、一時はワシントン線も運航したが、採算が見込まれないので撤退した。現在は支店ではなく駐在員事務所となり、営業活動を主としている。同氏は、営業のベテランとして、実質的に営業活動の中心となっている。

同氏は、ワシントンを中心に、多くの連邦公務員に接してきた経験から、やや分裂した印象をもっているという。連邦公務員は全体としてよくやっていると思う。ただし、ある者はきわめて優れているが、一方、だめな者もいる。

 

 

 

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