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ジャーナリストらしく、主として自分の経験によって公務員論を展開した。公務員の状況は部門によって、あるいはレベルによって違うと思う。たとえば連邦、州、地方でそれぞれ違う。だが、一般に公務員と民間との関係は良好とはいえない。たとえば、連邦でいえば、税関や入管の職員は相手を常に犯罪者としてみる。州の公務員もよくない。それに比べれば、市町村などの地方公務員の方が住民への対応はいい。

もっとも、私の経験する空港業務を例に取れば、一般に連邦の職員は業務のやり方はいい。地方空港はまちまちで、シカゴ空港のように利権が絡んで最低のレベルのところもある。その他は地方空港でも、まあいいといえる。

<面接結果>

 

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3 ウィリアム・A・カーメル氏

 

(弁護士、ウィンストン&ストローン法律事務所上級パートナー)

全日空ニューヨーク支店の紹介で、8月8日午後、ニューヨークのグランドセントラル駅に隣接した旧パンナムビルにある事務所で面談した。ニューヨーク・メッツの大ファンで、眺めのいい角部屋の事務室には、野球グッズが所狭しと並んでいる。ニューヨーク近郊のロングアイランドに生まれ、コロンビア大学ロースクールを1966年に卒業してから34年間、ニューヨークで弁護士活動を続けている。現在は、有数の法律事務所のシニア・パートナーである。雇用とセクハラに関する紛争が専門で、全日空とは、不動産契約に関する法律処理で関係ができた。

同氏は、これまでの経験から、アメリカ国民には、連邦政府への不信感があるという。大恐慌時代とそれに続く世界大戦期の1930年代を除き、とくに60年代は、連邦より州に信頼感があった。レーガン政権の80年代には、とくに民間部門が肥大した。実際、この時期には、どの大学でも学生の大半が就職先に民間部門を選んだ。公務部門は、就職先としてはそれほど評価されず、優秀な学生が集まるというわけではない。もっとも、公務、民間を通じて、経験から言えば労使ともに組織の運営という点ではよく訓練されていないようだ。

 

 

 

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