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第54表 過去2年間の賃金体系の変更の有無

2] 産業別

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(注) ( )内の数字は、平成9年の調査結果を示す。

 

(2) 賃金体系変更の内容〔第55・56表参照

過去2年間に賃金体系の変更を行った企業に対し、重ねてその変更内容を複数回答で尋ねた結果、「業績・成果に応じた賃金とした」が72.2%、「年齢給等年功部分を圧縮した」が56.3%、「職務給や職能給部分のウエイトを高めた」が前回調査結果(72.2%)よりも低い割合ではあるが55.6%と半数を超え、「資格等級を見直した」も45.8%とほぼ半数で、その8割は資格等級の数を減らすというものであった。また、「一定年齢以上の者の(定期)昇給を抑制した」は前回調査結果(36.1%)より10ポイント近く減少して、26.4%となっている。その内訳をみると、「(定期)昇給を行わない」が48.6%あり、抑制対象の平均年齢も52.2歳で、50歳を過ぎれば賃金カーブは一気に緩やかになるという、中高年齢者には厳しい内容の変更が行われている。これらの結果をみても、各企業とも個人ごとの業績・成果に応じて賃金改定を行うという方向に経営者・労働者双方の共通の認識が向いてきたということがかなり鮮明に見られ、年功的賃金体系の衰退を暗示しているものといえよう。

ア. 企業規模別

「千人未満」の規模の企業では他の企業規模の企業とは若干様相を異にしており、「職務給や職能部分のウエイトを高めた」が73%、「年齢給等年功部分を圧縮した」が64%と他の企業規模よりも高く、「業績・成果に応じた賃金とした」が55%と他の企業規模よりも低い割合であった。また、「資格等級を見直した」の割合は41%と他の企業規模と均衡した割合であるが、その内訳は半数以上が「資格等級数を増やした」となっている。この結果からみると、この規模の企業では資格等級を増やすことで、職務給等にメリハリを付け、賃金全体に占める年齢給の比率を押し下げるといった変更を行っている段階で、業績・成果に応じた賃金体系への変更はこれからの課題であるということが感じられる。また、「5千人以上」の企業では「一定年齢以上の者の(定期)昇給を抑制した」と回答した企業の3分の2が「(定期)昇給を行わない」としており、その平均年齢も51歳と最も若く、大企業での賃金体系の変化が年功型の賃金から業績・成果に応じた賃金に大きく変わっている様子がうかがえる。

 

 

 

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