国家公務員の給与制度においても、昨年の人事院勧告において、従来の勤続、経験など年功を重視した処遇から、職務や能力・実績をより一層重視した給与体系の実現に向けた見直しを推進していくことが肝要であるとの認識を明らかにしている。
このような事情を背景に、本年は3年ぶりに賃金体系の改定状況、賃金格差の状況等について調査した。
1. 賃金体系の変更
(1) 過去2年間の変更の有無〔第53・54表参照〕
過去2年間に賃金体系を「変更した」と回答した企業の割合は丁度50.0%であった。これは前回(平成9年度)調査結果の28.8%を21.2ポイントと大幅に上回る結果であり、過去2年間に多くの企業で賃金体系の変更が行われていたことが明らかであり、企業にとって賃金体系の変更が如何に切実なものであったかを如実に示しているといえる。
ア. 企業規模別
賃金体系の変更状況を企業規模別にみると、「変更した」と回答した企業の割合は、「3・4千人台」の64%が最も多く、「千人未満」の29%が最も低くなっている全ての企業規模で前回調査結果を上回っているものの、「1・2千人台」では前回27%から今回56%と2倍強の割合になっているのに対し、「千人未満」では、他の企業規模に比べて半分程度の割合にとどまっていると同時に、前回の24%に比べ大きな変化はみられない。「千人未満」の規模の企業では、賃金体系の変更が難しい要因を多く抱えているということであろうか。