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第52表 役職定年後の処遇

2] 産業別

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これを産業別にみると、「運輸・通信業」では「変わらない」が62.5%と高く、「関連会社へ出向(転籍)させる」の比率が高いことを考えると、そのような身分取扱いを通じて給料は「変わらない」という保証をしている様子がうかがえる。「運輸・通信業」を除く他の業種では、「製造業」が「下がる」の比率が平均を下回るほかは、全ての業種で「下がる」比率が80%を超えている。

次いで、「給料が下がる」とする企業に対し、重ねて「その程度」を尋ねた結果、回答があった企業全体の平均で15.8%となっている。最小値は3.0%(「製造業」、「卸売・小売業・飲食店」)、最大値は60%(「3・4千人台」、「金融・保険業、不動産業」)となっている。

企業規模別には特段際立った特徴は認められないが、これを産業別にみると、「金融・保険業、不動産業」は平均で24.1%と下がる率が最も高くなっており、「製造業」では平均13・7%と低い率になっている。

「電気・ガス・熱供給・水道業、サービス業」では最小値は20%で最小でも20%下がることを示しているが、最大値も25%でその幅は狭くなっている「運輸・通信業」では最小値も最大値も15%と変わらない。これに比べ「金融・保険業、不動産業」では最小値が10%であるのに対し、最大値は60%であるので、同業種でも個別企業間においてか、また、同一企業内でも従業員次第なのか必ずしも明確ではないが、役職定年に達した後の給料の取扱いに相当の格差があることを示している。

 

IV 賃金制度

バブル崩壊後のわが国の社会経済構造の大きな変革の中で、多くの民間企業では、国際的な競争力を高めながら、戦略構想力や高度の専門的能力を有する人材の確保・育成に努めるとともに、総人件費抑制によるコスト削減に努めつつ、従業員の志気の向上、経営への参画意識の高揚などを目指して、能力や成果・業績を重視する賃金体系への転換を図っている。

 

 

 

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