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(2) 年齢階層別の退職者数の今後の推移〔第7・8表参照

ここ数年間における常用雇用者の退職状況は若年者層、中高年者層とも大勢として「あまり変わらない」とするものの、退職者は増加する傾向がみられることは前述したとおりである経済の先行きは依然はっきりせず、企業のリストラが終わった気配はない。また、若年者層の価値観は多様化し、組織への帰属意識も薄らいできている。これから先、退職者はまだ増えるのかそれとも減少に転ずるのかその予測を「若年層者」と「中高年者層」に分けて聞いた。

「若年者層」では「今後ますます増加する」と回答した企業が23.7%に達し、この割合は先に述べた入社5年未満のここ数年間に退職者は「増えてきている」(9〜19%)の回答より多く、企業としてはこれからも若年者層の退職者が増えることを覚悟しているようである。このことは、「今後は減少する」と考える企業が3.8%に過ぎないことからも分かる。これに対し、「中高年者層」の退職が「ますます増加する」とする企業は18.5%で2割に満たず意外に少ない感じである。一方、今後の退職者は「あまり変化はない」は双方とも70%台で、多くの企業はほぼ現状維持で推移するとみているようである。

ア. 企業規模別

規模別にみても「若年者層」の退職者が「今後は減少する」と回答した企業は、どの規模でも3〜5%と僅かで「ますます増加する」は「3・4千人台」は34.2%、「千人未満」は24.7%などいずれの規模もほぼ2割を超えている。「中高年者層」では規模3千人以上の企業では20%以上が「ますます増加する」としているが、3千人未満の企業はこれが10%台と小さくなる。また、「5千人以上」の企業を除き、退職者は「今後ますます増加」するの回答は「若年者層」の数値が「中高年者層」のそれを上回っており、企業としては今後とも「若年者層」の退職対策に頭を悩ますことになろう。

 

第7表 常用雇用者の退職者数の今後の推移

1] 企業規模別

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