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また、「おおむね変わらない」は前回の41.7%が本年は45.1%と若干増加している企業がリストラの一環としていわゆる正社員を減らした後の補充として派遣労働者、契約社員、パート等の非常用雇用者の雇用を進めてきているが、今年の調査結果をみるとこの手法が定着しつつあるように思われる。このことは、昨年は「減らした」の回答が「増やした」のそれを約10ポイント上回っていたが、今年は「増やした」企業の方が逆に10ポイント多くなっていることからもうかがえる。

(2) 非常用雇用者数の今後の増減方向〔第2図参照〕

前述の状況からも分かるように企業は非常用雇用者を増やしつつあるが、今後の見通しはどうなのか聞いたところ、これからも「増やす方向」が29.3%(昨年26.7%)、「圧縮必要」とするものが15.5%(同22.9%)で今後も非常用雇用者の雇用が増加していくことは間違いないと思われる。

 

第2図 非常用雇用者数の過去1年間の増減状況及び今後の増減方向

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3. ここ数年間の常用雇用者の退職状況

今回の調査では、企業における常用雇用者の退職状況、今後予想される退職の動向、退職の理由について聞いてみた。対象は中高年者層のほか最近増加していると言われる入社後短期間で辞めてしまう若年者層の状況についても調査した。

(1) 年齢階層別の退職状況〔第3図参照

ここ数年間の退職者の傾向を「増えてきている」、「特に変化はない」、「減ってきている」の3つに区分し、まず、若年者層については、「入社後1年未満」、「同1年以上3年未満」、「同3年以上5年未満」に区分して状況をみた。いずれの区分についても退職する者はいるものの、ここ数年「特に変化はない」とする企業が3分の2以上(66.6〜77.7%)を占めている。「増えてきている」の回答は「入社後1年未満」が9.1%であるが、入社後の年数が経つに連れて18.0%、19.0%と急に高くなっている。

また、「減ってきている」はどの区分も13〜14%台で、結果として入社後1年以上5年未満の退職者が増えてきていることがうかがえる。

 

 

 

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