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台本音楽

藤本壽一(ふじもとじゅいち)

 

作曲家、兵庫県生まれ。カール・ヴォルフラム、萩原英彦氏に作曲、斎藤秀雄氏に指揮法を師事、武蔵野音楽大学卒。NHK「お話出てこい」「FM文芸劇場」等の番組音楽を担当したのち1973年渡仏。以後、音楽劇の劇作、演出を手掛ける。民族音楽の研究家でもあり、レコード集に「台湾原住民高砂族の音楽」(昭和52年度文化庁芸術祭大賞受賞)「神々の音楽」(51年度同優秀賞)「アリランの世界」(54年度同優秀賞)などがある。作品は格調高いオーケストレーションと斬新なコンピュータサウンドで知られており、作品に音楽詩劇「播磨風土記」、映画「若宮の冬の宴」、音楽「光る木」、音楽舞踊劇「越中万葉夢幻譚」など。現在、欧州歴史フェスティバル協会(本部フランス)日本担当副会長。西脇市立音楽ホール顧問、高岡野外音楽劇総監督。東京都世田谷区在住。

 

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二上山詩神

(語り)

平幹二朗(ひらみきじろう)

 

昭和31年、俳優座養成所を卒業(五期生)と同時に、劇団俳優座へ入団。同年「貸間探し」で初舞台を踏み、「森がいきている」で映画デビュー。翌年、「獣の行方」でテレビ初出演し、以後、舞台・映画・テレビに大活躍。昭和43年、俳優座を退団し、現在は(株)クリームインターナショナルに所属。俳優座時代は、千田是也氏に師事、以後浅利慶太氏、蜷川幸雄氏と行動を共にする。

代表作には、舞台では「ハムレット」「マクベス」「三文オペラ」「近松心中物語」等があり、映画・テレビでは、「三匹の侍」「樅の木は残った」「国盗り物語」NHK大河ドラマ「信長」等がある。平成10年、紫綬褒章受章。

 

大伴家持には越中を詠んだ「賦(ふ)」(漢詩風の長歌)が三つあり、越中三賦と呼ばれています。夢幻譚にはそのうち「二上山(ふたがみやま)の賦(ふ)」と「立山(たてやま)の賦(ふ)」が、藤本嘉一氏により独唱付オーケストラ曲として作曲され、古代シーンと目覚めのシーンに自然の精霊の踊りとして取り入れられています。

「二上山の賦」は、二上山のなだらかで女性的な優しさをソプラノのための繊細な曲想で、「立山の賦」はそれとは対照的に、厳しく、高貴に、毅然とそそりたつ立山の男性的なイメージを、バリトン独唱に託して作曲されています。

 

二上山(ふたがみやま)の賦(ふ)

 

射水川(いみずがは) い行(ゆ)き廻(めぐ)れる 玉くしげ 二上山は

春花(はるはな)の 咲ける盛りに 秋の葉の にほへる時に

出で立ちて 振(ふ)り放(さ)け見れば

神(かむ)からや そこは貴(たふと)き

山からや 兄が欲しからむ

すめ神の 裾廻(すそみ)の山の 渋谿(しぶたに)の

崎(さき)の有磯(ありそ)に朝なぎに 寄する白波

夕なぎに 満ち来る潮(しほ)の

いや増しに 絶ゆること無く 古ゆ(いにしへ) 今の現(をつつ)に

かくしこそ 見る人ごとに かけてしのはめ

 

立山(たちやま)の賦(ふ)

 

天離(あまざか)る 鄙(ひな)に名かかす 越(こし)の中 国内(くぬち)ことごと

山はしも しじにあれども 川はしも さはに行けども

すめ神の 領(うしは)き坐(いま)す 新川の その立山に

常夏(とこなつ)に 雪降り敷きて 帯(お)ばせる 片貝川(かたかひがは)の

清き瀬に 朝夕(あさよひ)ごとに 立つ霧(きり)の 思ひ過ぎめや

あり通ひ いや毎年(としのは)に よそのみも 振(ふ)り放(さ)け見つつ

万代(よろづよ)の 語(かた)らひぐさと いまだ見ぬ 人にも告(つ)げむ

音(おと)のみも 名(な)のみも聞きて 羨(とも)しぶるがね

 

使用音楽一覧

 

■夢幻譚オリジナル音楽(藤本嘉一作曲)

M1 プレリュード

M2 越の天平

M4 二上山の賦

M5/7 時空変幻

M6 放生津擾乱

M8 奈古の海

M11 慶長風流

M12 岩瀬野の萩

M16 鹿鳴館ワルツ

M20 平成カタストロフ

M21 レーザーダンス

M25 春苑落花

M26 立山の賦

M27 フィナーレ

 

■引用音楽(伝統音楽その他)

M3 抜頭(舞楽)

M9 こきりこ節(富山県民謡)

M10 八島(能)

M13 やがえふ(高岡民謡)

M14 伏木帆柱起し祝い唄(高岡民謡)

M15 宮さま宮さま(幕末歌謡)

M17 タ日(室崎琴月曲)

M18 愛国行進曲(瀬戸口藤吉曲)

M19 海ゆかば(大伴家持歌・信時潔曲)

 

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結団式

 

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烏組収録風景

 

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美術制作風景

 

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観客受付

 

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着付け風景

 

公演についてのお問い合わせは

(財)高岡市民文化振興事業団

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