やはりこのツアーの一番の目玉はホエールウォッチングです。山や川の環境を見てから海に出てくると、このクジラが棲んでいる海も、おいしい塩ができる海水も、陸上の私たちの生活と密接に関連していることがわかると思います。クジラを見た人は皆さん感動しますが、環境全体を通して見ることで、自分たちも生態系の一部を担っているということをさらに体感できるのではないかと思います。
ツアーでは、参加者の人たちに森や河原や海辺を散策しながら素材を集めてもらって、旅の最後に感想をアートで表現してもらいました。「I love you」という文字を作った人がいましたが、自分たちの生活が多様な環境に支えられているのだということを実感したということでした。
「砂浜から地球のことを考える」というテーマで私たちの活動を紹介してきました。
いろいろなところに砂浜美術館のような感性を持った人が増えて、世界中に「マイ美術館」の空間が広がれば、いたるところに作品を見つけることができると思います。そしてその作品は、人が気持ちよく生きていくために大切なことをきっと教えてくれると思います。
(大谷) それでは最後になりますが、木下さん、よろしくお願いします。
(木下) 宇佐にあります高知大学海洋生物教育研究センターの木下といいます。
先程、田島さんの方から野グソの話がありましたが、私は川グソ、もしくは海グソということを皆さんに聞いてみたいと思います。
私は仕事上、よく川や海に調査に行きます。川といっても河口の方ですが、どうしてもそこでもよおしてしまい、そこでやってしまいます。
これは流れの下の方でやると、飛んでもないことになります。当然うんこは浮いてきますので、流れの反対側にいると自分の喉元に来てしまいます。ですから、必ず流れの上の方でしなければいけません。
また先程、野グソをした場合はお尻を拭くのにいろいろ工夫がいるというお話がありましたが、川グソ、海グソは工夫はいりません。天然の水洗です。手できれいにできます。
13] 海グソ、川グソをしたことがある方は○、そうでない方は×をお願いします。
さすがにあまりいませんね。
私は、こういう野グソ、川グソができるようなところをフィールドにしてきました。
私は10年前まで約10年間、高知に住み、高知のさる民間会社で働いていました。その頃は、言葉もそうですが、なかなか高知というところに馴染めませんでした。
なぜなら、「木下さん、ご出身はどこですか?」と聞かれたときに「九州の小倉です」と答えると、「ああ、県外ですか」と言われてしまうのです。
「それなら最初から県内か県外か聞けよ」と言いたくなります。そういうところがありまして、ものすごく馴染めませんでした。
でも、その後、京都の方に移り、日本海の鉛色をした冬の海を見つめたり、テレビで高知の放送が出ると、新婚時代から暮らした苦しかった時代の高知が本当に涙が出るほど懐かしく感じられました。
そして、昨年10月、こうやってまた高知に帰ってくることができました。
では、あまり時間がないので本題に入ります。