「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」というコピーの通り、美術館という建物はどこを探してもありません。よく事務局にも「近くまで来ているのですが、美術館はどこですか」という問い合わせがかかってきます。
私たちは長さ4kmの入野の浜という砂浜を頭の中で美術館にしてしまいました。砂浜を美術館に見立ててみると、今まで何気なく見過ごしてきたものが色々見えてきます。例えば、鳥の足跡、散歩した人の足跡、波打ち際にできるきれいな砂模様など、色々な作品があることに気がつきます。
ちょっと想像してみてください。床が長さ4kmの砂浜です。天井が青い空。新鮮な空気が壁。波の音がBGMで流れています。照明は太陽の光や月の光です。それが砂浜美術館の空間です。
その1つが「Tシャツアート展」です。これは全国から募集したイラストや写真をTシャツにプリントして砂浜に並べるものです。既に2001年5月に行う13回目の作品募集が始まっていますので、皆さん、ぜひご応募ください。昨年は田島征三先生にも審査員として砂浜美術館においでいただいたき、毎回1100枚くらいがこの入野の浜をひらひらします。
1枚1枚のTシャツも作品ですが、この1000枚のTシャツ全体の風景もひとつのアートとして鑑賞できるのではないかと思います。一斉にTシャツが風に吹かれたり、ピタッと止まっていたりすると、風が吹く方向やなぎの時間などを目で見て感じることができます。こういう空間を作ることで、確かにここに美術館が存在するんだなということを実感していただけるのではないかと思っています。
他にも「Tシャツアート展」の開催中に裸足で走るマラソン大会もあります。入野の浜は、裸足で歩いたり走ったりすることができる貴重な砂浜です。
また、秋には、入野松原で「潮風のキルト・ぞうきん展」も行っています。
公募したパッチワークキルトを展示して、松原を演出します。