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そういうことで、先程お話ししましたダムの部分や、私が行っている活動をビデオに収録してありますので見てみたいと思います。

 

<ビデオ> 「素敵な宇宙船地球号」

〜 森のアイディアマン奮闘記 〜

(1998年5月17日・朝日放送)より

 

(ナレーション) かつて洪水と氾濫を繰り返した吉野川にできた早明浦ダム。4年前の夏、このダムから水が消えました。そして、沈んでいた村役場が姿を現したのです。

村の名前は高知県大川村。大川村の93%が森林です。ダムの水が枯れた原因はこの森にありました。森は地面が石ころや砂に覆われ、水を蓄える力が全くなくなっていたのです。水の豊富な森を取り戻したい、こう考え立ち上がった人がいました。

841人、四国で一番小さな村です。大川村ではおよそ半分の世帯が林業に従事しています。この村の面積のほとんどは森林で占められています。その内70%が人工林、いわゆる木材を出荷するために30年以上前に植林された針葉樹の森です。村では毎日木が切り出されています。

川村さんは14年前、木材を出荷する際に捨てられる木を集めて使ってみることを思いつきました。山から切り出された木でも、曲がった部分や根っこに近い部分などは捨てられてしまっていたのです。

 

川村 「今まで切り出したあと、この木なんかはすべてこういうところの隅に放ってあるか、もしくは、谷の方に、川の方に向けて放っておくか、どちらかの作業でした。だから非常に環境が汚れてくるので、なんとかごみを商品に変えたらどうかな、と思って作ったのがきっかけです。すべてここにあるものは、使えないものはないくらい、いろいろ応用できます」

村のあちらこちらに出荷されなかった木が捨てられています。そこで川村さんが作ったのが「木星会」。その名前は「木工製品づくりのスターになろう」という志で付けられました。

しかし、集められた木はご覧のとおり。中には真ん中が腐ってしまったり。こんな木から木工製品が生まれるのでしょうか。ここには毎月およそ9トンの木が運ばれてきます。

運ばれてきた木は、どのような木工製品にするかによって、それぞれの木に合った処理をします。木の特徴を見きわめて、製品のアイディアを考えるのは川村さんの仕事です。川村さんの使命は、捨てられていた木を人にやさしい素材として再生すること。どんな製品ができるのか楽しみです。

そのために始まった木星会の木工製品づくりは、製品にあった大きさや長さの木材を作るところから始めなくてはなりません。運ばれてくる木の太さや長さがまちまちなためです。ここでは職人さんが木の大きさに合わせて材料となる木材を作り出します。

現在、ここで働いている職人さんは、大川村出身者を含め5人です。みんな林業や森に対する考え方を見直そうと木星会に参加しました。

 

川村 「枝の残ったものを差し込みましたら傘立てになります、こういう状態で」

木星会で作られた製品は工場の隣にある木星館に展示されています。木星会で作り出される木工製品のほとんどは針葉樹から作られています。針葉樹はやわらかいので、木工製品にしたとき傷つきやすいそうですが、捨てられていた木を使っているのですから、それが持ち味。そのどれもが木のやさしさやぬくもりを感じさせてくれます。

川村さんが手がけているのは家具ばかりではありません。お店のディスプレイも手がけています。

 

このような仕事をやっています。

 

 

 

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