唐鐘川の実態は、ご覧いただいた写真の通りです。
この原因は、唐鐘川が延長約3kmの小さな川で、水量が少ないこと、川の勾配がないことです。
それから、家庭排水と鮮魚加工場からの排水が、河口でふさがれてしまうこと。先程、河口の海抜は2cmと言いましたが、逆海抜の状況になり、河口が池のような状態になるのです。
これが大雨が降ると、河口が切れて、川の水が海へと流れ出ます。すると、川の水は一斉にきれいになり、コイが上流の方まで上ってきます。
魚は誠に正直で、工場が休んだり、雨が降った後などには、中流まで上ってきます。ところが、そうでないときには、もう鼻をつまみたくなるほど汚い川になるのが実態です。
そこで、生活状況等々が変わった今、昔からきれいだったこの川を何とかしなければならない、ということから、地域の皆さん、役員の皆さん、先輩の皆さんが組織を作り、発足させました。
昔から年1回「町内一斉清掃」をしておりましたが、草が伸びるとどうしてもごみが捨てられる。海岸からごみが寄せてくる。ドブ水となる。
そのような状況でしたので、「唐鐘川を私たちの手できれいにしましょう」と、地元の各種団体、町内の皆さんの理解と協力を得て、平成4年に「唐鐘川水質浄化対策実行委員会」を発足させました。
図2.2.3が実行委員会の構成です。実行委員は18団体・28名、推進委員は11町内の各班から1名ずつ選出され49名、これが大体の構成です。
町内会長、観光協会、商工会、漁業組合、水産加工組合、民宿組合、唐鐘婦人会、農協婦人部、漁協婦人部、商工会婦人部、仏教婦人会、密教婦人会、安国寺委員会、母子会、唐鐘公民館、小学校PTA、中学校PTA、これが唐鐘地区におけるほとんどの団体です。したがって、全部の団体に呼びかけて組織を作っているということです。
役員構成は、会長、副会長、総務担当、業務担当、交渉担当という風に組織を作り、運営しています。