この事業は、環境保全の意識を高めていただくのはもちろん、まちづくり、人づくりをしていく最小単位、ひとりひとりの意識が、まちも何も変えるのですが、現実としてはあまり有機的に機能していないため、「ひとりひとりの意識のレベルから向上を試みよう」という理念のもと、開催しました。
ひとりひとりが意識を持ってまちづくりをして、市民、行政、企業、それから私たちJC(青年会議所)と力を合わせていくことが、国会等でも言われている「地方分権」(私どもは「地域主権」と言っておりますが)にもつながり、魅力あるまちづくりができるのではないか、ということで事業を始めました。
初年度の1997年度は、私どもJC単独で「よりよい郷土を目指して」というサブタイトルで、環境問題講演会を開催しました。日本の海岸でのビーチクリーンアップの実施とそのデータをとりまとめ、それを全世界的なデータを収集しているアメリカの団体へ送る活動等をしている「クリーンアップ全国事務局」のきくちゆみ代表にお話しいただきました。
この講演会では、どんな活動もまず私たちのすぐ身近にある問題から解決していこう、ということで、誰もの身の回りに存在する環境問題をまず考えることにしました。最も身近な生活排水が、河川の水質汚染につながり、それから海洋の水質汚染につながる、というところを考えていただこうという趣旨で県民会館小ホールにて開催し、300人の市民の皆さんにご参加いただきました。
2年目もその輪をさらに広げようと、私どもJCに加え、益田市の全5校の高校生たちで組織されているボランティアサークル「ファイブハーツ」と一緒に、事業の企画の段階から計画を練りました。
私たちのある意味凝り固まった発想だけではなく、若い子たちの新しい発想も取り入れてみたい、それから、早い時期からこういった若年層に環境に対する意識、まちづくりに対する意識を持ってもらいたい、という意思のもと、一緒に計画しました。
2年目も引き続ききくちゆみ先生に、1年目と同様に身近な環境保全活動のこと、それから、そのひとつひとつの小さな活動が世界規模の環境保全にどのようにつながるか、ということをメインテーマにご講演をいただきました。
そして、高校5校それぞれの団体が、「環境を保全するためにはどんな身近な行動ができるのか」という市民の皆さんへの意識づけのイベント(廃油から石けんを作ったり、牛乳パックでおもちゃやハガキを作ったり)を自主企画、展示、実行しました。