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川や海へのごみのポイ捨て防止など、子どもの教育にも取り組んでおられるそうです。その辺のことを詳しくお話しいただきたいと思います。

 

(三上) 福田さんは「専門家ではない」と言われましたが、漁業以上の海の専門はないと思いますので、ぜひ参加者の皆さんの質問に答えていただきたいと思います。

私は「陸奥湾とは、実は深い因縁があるな」と思っています。大学で卒業論文を書いた時にも、陸奥湾が非常に深く関わっていました。その当時、昭和50年は、陸奥湾でホタテの養殖が始まって定着する頃でした。巨大開発から陸奥湾を守ろうという漁協組合長さんの動きと、子どもとの関係で卒業論文を書きました。

陸奥湾のことを真面目に考えたのは、それ以来です。このお話をいただいたときに、陸奥湾のことをあまり意識せずに、実はそれに関わることをいろいろなことをやってきたなあ、と思いました。

 

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三上久美子

 

私が代表しています「男女共同参画社会づくりを考える会」というところは、「女性も男性も一緒にやろうよ」というくらいですから、非常に心意気が高いといいますか、大変いい男といい女が集まっています。「自分たちがやれることがあったら力を貸そう」という人たちが集まっていますので、当然、環境問題に取り組んでいる人たちもたくさんいますので、そういった人たちの動きもぜひ紹介したいところです。

今日のお話で、私たち青森市民が、陸奥湾に大変大きな負荷をかけているキーポイントだということをあらためて伺って、本当に胸が詰まるような思いです。

青森市の場合、農業集落排水から処理場を使うような下水道を完備している家庭、それから水洗化はしていないけれど浄化装置を持っている家庭、それらの家庭を除いた家庭からの排水が、川を経由して海に直接流れています。そういう川を経由して海へ直接排水が流れ込む状況の人たちがまだ約12万人いると推測されています。まだ人口の約30%がそのような現状にあるということです。

私が青森に家庭を築き、子どもが小さい頃には、青森市には合浦公園という海水浴場しかありませんでしたが、当時、青森市の海水浴場は非常に汚染されていました。大学卒業時には、海を汚す張本人、いわゆる公害の張本人としては、企業しかクローズアップされていませんでした。ところが、気がついてみたら、家庭排水が公害の張本人という状況になっていて、合浦公園もそうでした。

企業は政府の指導、住民運動、企業努力など、いろいろな中で自助努力を迫られてきましたが、家庭は自助努力を迫られていませんでした。我々の生活排水が、自分たちの海水浴場まで汚染していたのです。私は罪の意識もなく暮らしていたものですから、自分が罪の意識を感じなければいけないということに非常にたじろぎました。

そういう中で積極的にしたことは、やはり「自分の家庭の中から」ということで、いろいろなお母さんたちのお知恵をお借りしました。

会場の方々は男性が98%くらいですね。女性は2%くらいしかいらっしゃらないようです。今日、先生たちのお話を伺って、皆さんは「家庭に帰って何かしよう」と思われましたか? それとも、「職場で何かができる」あるいは「何か自分でしなければいけない」と思われましたか?

 

 

 

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