パネルディスカッション 「陸奥湾をさらに美しく豊かにするには」
コーディネーター:
橋本隆志(東奥日報社 論説委員)
パネリスト:
三上久美子(造道中学校PTA会長/青森市男女共同参画社会づくりをすすめる会 会長)
福田隆一(青森県漁業士会 会長)
小島正美(毎日新聞社 生活家庭部 編集委員/本事業中央企画委員)
特別ゲスト:
佐々木誠造(青森市長)
西田修三(大阪大学大学院 工学研究科 助教授)
小坂善信(青森水産増殖センター ほたて貝部長)
(橋本) 非常に興味深いお話を佐々木市長ならびに西田、小坂両先生から伺いました。我々が漫然と見ている陸奥湾が、かくもいろいろなメカニズムで動き、変化をしている、ということがわかりました。とりわけ、閉鎖性水域であるために水交換が遅く、いったん汚染されると大変なことになるということがわかりました。タンカー事故による油流出などの海洋汚染から、この宝の海は絶対我々青森県民の力で守っていきたいという気持ちを強くしたわけです。
このパネルディスカッションでは、「いかにしたら今後もこのようなきれいな環境を維持できるか、次の世代にバトンタッチできるか」にポイントを置いて、活発に議論を進めていきたいと思います。
まずは、実際に毎日ホタテ養殖の仕事をしている福田さんから見た陸奥湾の現状をお話しいただきたいと思います。先程、大変きれいな海域だというお話はありましたが、かなり汚れている所もあると思います。ごみの問題など、いろいろあると思いますので、現場から見た生の声、そして、それに今までどのように取り組んでこられたのか、今後、漁場環境保全のためにどのように取り組むのか、ということをご説明願えればと思います。
(福田) 私はここでお話しするほどの者ではありませんが、「漁業士会の会長がいいのではないか」ということで、私にお鉢が回ってきました。漁業士会会長も今年なったばかりなのですが、県漁連会長に「福田にやらせろ」と言われて、とうとう私の番になってしまいました。
私は皆さんより後輩ですので、先輩の前でこのようなことをお話しすることを大変恐縮に思っています。私は陸奥湾の汚染について研究をしているわけではありませんが、漁をしている面で感じたことを少しお話ししたいと思います。何か現状に合わないことも言うかもしれませんが、よろしくお願いします。