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津軽海峡に面する陸奥湾は、ヒラメ、カレイ、タラ、イカ、イワシ等々魚介類が非常に豊富なことはご承知の通りです。ホタテ、ナマコの「作り育てる漁業」も盛んに行われている、宝の海です。

 

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ところが、陸奥湾の湾口は非常に狭く、10.6kmしかありません。建設省からは「閉鎖性水域」という名前がつけられています。つまり、陸奥湾は一度壊れたらなかなか元に戻れない湾なのです。それについては、後ほど西田先生からお話しいただけるでしょう。

 

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さて、このきれいな豊かな陸奥湾を、次の世代へしっかりと引き継ぐことが、今を生きる私たちの責任ではないでしょうか。そこで、14市町村が手を携えて「陸奥湾保全・再生プラン」にチャレンジしようとしたところです。

このプランの柱は次のように掲げています。

 

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つまり、陸奥湾に流し込む水はきれいにして流しましょう。それから、漁業・水産物の残滓廃棄物は陸奥湾の中に生捨てしないようにしましょう(産業活動に伴う汚染防止対策の推進)。豪雪のとき、雪を陸奥湾に入れてとかすときには、それをきれいにして海に出していくようにしましょう。その他、ということになるわけです。

 

≪生活排水対策の推進≫

 

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陸奥湾岸の14市町村の人口は、およそ42万4千人。この70%強が、実は青森市の人口です。私どもの推計では、青森市から陸奥湾に排水される量が、全体の8割になっていると考えております。

ですから、陸奥湾を殺すも生かすも青森市次第と考え、10年間、下水道整備を最重点事項に掲げて推進してまいりました。ようやく今年度で60%に限りなく近づくというところまでまいりました。

 

 

 

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