“咸臨丸”復元模型の見どころ
シュラウドのターンバックル
3本のマストを支えるシュラウド(静索(せいさく))の船体への取り付け部は、帆船時代よりデッドアイと呼ばれる三目(みつめ)の滑車が使われてきましたが、“咸臨丸”では最新式のターンバックルが用いられていたことが資料により判明しています。
伸縮式の煙突
蒸気機関を搭載していたとはいえまだ信頼性は低く、バーク型の帆装設備をもっていて汽走と帆装を併用していました。煙突は長くしたほうが効率が良いのですが、帆走時に帆の操作のじゃまになるので伸縮式となっていました。
引揚げ式のスクリュープロペラ
“咸臨丸”は汽走時に最新式のスクリュープロペラ(当時は暗車(あんしゃ)と呼ばれました)を回して航走しました。しかし、帆走時はこのスクリュープロペラが水中で大きな抵抗となってスピードが落ちるため、上に引揚げられる構造になっていました。
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