13世紀前期の大型海船
『北野天神縁起』(承久本)に描かれた、太宰府(だざいふ)(九州)に配流(はいる)となる菅原道真(すがわらみちざね)を乗せた船の絵です。これは延喜1年(901)の出来事ですが、船は絵巻の制作時期からして13世紀前期の構造と特徴が描かれているものと判断できます。(所蔵:北野天満宮)
鎌倉時代の大型海船の説明図
刳船(くりぶね)
木を刳(く)り抜いて造った船が刳船です。一材でできているものを単材刳船、二材以上を前後に継ぎ足しているものを複材(ふくざい)刳船と呼びます。
準構造船(じゅんこうぞうせん) I
刳船の両舷に舷側板を取り付けて深さを増し、積載量と耐航(たいこう)性を増やしたのが準構造船です。
準構造船(じゅんこうぞうせん) II
準構造船の舷側板をさらに継(つ)ぎ足して二階造(にかいづく)りとし、より一層の幅と深さの増大をはかったものです。
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