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No.15/36

 

船と港I

 

1. タグボート

船が港で出入港する際、大きな力になってくれる小さな船がタグボートです。大きなタンカーの隣にあるとおもちゃの船のように小さいけれど、とても力持ちな船です。自船の重量の何百倍もある船を押したり曳いたりできるという凄い力を持っています。なぜこのような船が必要かというと、船は車のように急には止まれないということが挙げられます。タンカーやコンテナ船などの大きな船はエンジンを後進にかけても、完全に止まるまでに2kmくらいは走ってしまいます。そこで、これらの船が港に離着岸するときにはエンジンをほとんど使わず、タグボートで押したり曳いたりしてもらうのです。タグボートは船の大きさに合わせ1隻で作業するときもあれば数隻で力を合わせて大きな船を離着岸させる時もあります。タンカーのブリッジからの指示で、タグボートは360度自由に動くことのできるノズル付きのスクリュープロペラの向きを調整して船を押したり曳いたりして、前後進、横移動など、出入港から離着岸のタンカーの動きをコントロールします。つまり港内ではタグボートが船舶のエンジンや舵の役割を果たすというわけです。わずか200〜300トンの小型船が1〜4隻で十数万トンの大型船を動かしてしまう、文字通り「縁の下の力持ち」です。

 

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上:作業中のタグボート

下:タグボートのプロペラ

(資料提供:株式会社新潟鐵工所)

 

 

 

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