勤勉、誠実、客や仲間への敬意は、今日でもこれまで以上に求められています。しかし、私たちは第一に人間であり、その次に経済の中で生きる労働者なのだということを梅岩は私たちに気づかせてくれます。家族、また仕事や政治の世界の先輩や後輩に敬意を払うことは私たちの義務です。しかし、たとえ外国人であっても、世界で困っているすべての人々、餓えている人々や経済的に困窮している人々に関心を示し、心配することも私たちの義務なのです。
市場経済に支配された社会の中で、人間としてどう行動すべきかという課題は、梅岩の時代でもまた今日でも簡単に答えが出るものではありません。梅岩の示した手本は、現在の私たちにとってもこれまで以上に重要なものです。小山先生、心学参前舎、そして梅岩の教えが今日に生き続けるように努力なさっていらっしゃるすべての日本の方々に賛辞をお贈りしたいと思います。私たちは、今まで以上により梅岩の教えを必要としているのです。