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そうした現象の一方で、一九八○年以降には定期的に有償で働くスタッフを抱える政治団体の数は急速に増えてきました。これはつまり、自分たち自身ではほとんど何の政治活動もしないけれど、ワシントンで陳情を行う政治団体のために献金をするアメリカ人がたくさん存在することを意味します。

活動への参加が低下しているのは政治に限ったことではありません。様々な種類の市民グループヘの参加においても、同じようなパターンが見られるのです―大恐慌と戦時中に落ち込んだことを除き二十世紀全体を見れば増えていますが、一九六〇年から七〇年をピークにして、現在に至るまで急速に低下しています。このパターンはPTA、アメリカ女子大生協会、職業女性の団体のような伝統的に女性の参加を得てきたグループについても、JC、キワニース、ライオンズ・クラブ、メーソンズ、シュライナーズなどの男性を対象とした伝統的な団体についても当てはまります。この傾向の理由として、新しい団体が古い団体に取って代わったのではないかと思う方もいるでしょう。そして新しい団体の存在がまだ際だっていないだけなのではないかと。しかし様々な団体の会合の出席率が示すのは、一九七五年以降では出席者が五割以上減っているということであり、どの団体でも同じ状況で、新しい古いは関係ないということなのです。

 

 

 

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