そしてこういう言葉も言っております。「勤むべきことを先とし、売ることを後にするの忠をなす」。ともかく一生懸命に働きなさい。そして利益をあげることはあとに考える。それが君に仕える忠義であるという言葉です。
私は個人商店の経営者として四代目になりますが、父も祖父も私に会社を大きくしろとか、あるいは利益をこれだけあげろと言ったことはございません。ともかく一生懸命に働け。働くことが商人の道であると言われました。そして梅岩の言葉で非常に強く感じ入るのは、「真の商人は先も立ち、我も立つことを思ふなり」という言葉です。世の中には真の商人と嘘の商人があるものだ。