これは閉鎖された考え方、あるいは答えが伝統の中に自動的に見出されるという意味ではありません。最良の伝統はよりクリエイティブに、伝統をインスピレーションとして新たな可能性を高める、すなわち私たちの道徳的な力を強めると考えられます。手段、テクニックではない中身、私たちがどういった人間になりたいのか、どういった社会にしたいのかという道しるべになると思います。
答えとしては、これからもう一度フォーカスし直す必要があると思います。もちろん科学技術をやめるわけにはいきませんので、そういった面での努力は必要ですが、それだけではなく、科学技術によってどういった経済成長や、どういった社会、とういった価値観を達成しようとしているのかということを考える必要があります。その中で、多くの伝統の中でもこの石門心学が多くを私たちに教えてくれるのではないかと思っています。