開会にあたって
心学開講二七〇年記念シンポジウム 実行委員長 上田正昭
現在の亀岡市東別院町東掛に生まれた石田梅岩先生が、享保十四年(一七二九)、四十五歳のときに京都の車屋町御池上ル東側で心学の講義を初めて開講されました。数えて本年が満二百七十年です。そこで昨年来、東京を中心にご活躍いただいております心学参前舎の皆様、また現在活動中の六つの心学講舎、地元の亀岡市、さらに京都新聞社の共催を得て、今回のシンポジウムを約一年の準備のもとに開催する運びになりました。この間、文部省、京都府、京都市、日本財団をはじめ、関係各位のご協力、ご協賛を得ました。当初、聴講料をいただいて開催しようかという案もございましたが、私は、石田梅岩先生が「席銭入り申さず候」―聴講は無料であると言って始められた開講記念の二百七十年のシンポジウムにお金をいただいて開催するのはおかしい、と申しました。大変に心配しておりましたが、各方面のご協賛を得ることができ、またこのように多数の皆様のご参会を得て、関係者一同、非常に喜んでおります。