難所をすぎ、愛宕山入口の鳥居本→猿沢池→仁和寺へと車を押して行く。京都市街へ入ると、前日の地元紙の予告記事を見て知ってか、多くの市民に激励される。やがて、かつての目的地・蛤御門に到着、皆で万歳をした。
そして午後四時、今回の最終目的地である府庁舎に到着し、氷を荒巻知事に"献上"した。氷所→府庁舎間の約三十五kmを十一時間余かけて氷を運んだことになる。
コモを解くと、十時間以上かけて運んで来たにもかかわらず、二十%程度溶けただけで、ほぼ原型を保っていた。大成功であった。同時に、氷運びにおける先人の知恵に皆感動した。
吉田理事長は六十一人のメンバーを代表して、「このたびの事業成功で、達成感と町づくり事業のやりがいを実感し、一人ひとり皆が感動した。この事業が、今後四年に一度か十年にいちどでもよいから、何らかの形で、心ある人たちに引きつがれていってほしい」と言っていた。