東アジア地域においては、欧州連合のような究極的統合は遠い夢であるとしても、さしあたり経済、政治、安全保障、社会、文化などの各面で開放的かつ協力的な地域秩序を形成する先導役とならなければならない。それが本書の結論であり、三年間にわたる「海洋国家日本の構想」の結論でもあった。
このような結論に至る問題意識に支えられて、本セミナーは、第一期から第三期に至る三年間においてつぎのような三つのサブテーマを議論した。また、明年度の第四期においては「海洋国家日本:その文明と戦略」というテーマでこれらの議論を総括してみたいと考えている。
第一期(一九九八年度)では「日本のアイデンティティ:西洋でも東洋でもない日本」
第二期(一九九九年度)では「二十一世紀日本の大戦略:島国から海洋国家へ」
第三期(二〇〇〇年度)では「海洋国家日本の構想:世界秩序と地域秩序」
第四期(二〇〇一年度)では「海洋国家日本:その文明と戦略」
第三期「海洋国家セミナー」についていえば、その活動に参加したのは次ページの二十三名のメンバーであった。