話している内容というのは、あくまでも沖縄の問題だけです。本来、西太平洋地域の問題あるいはまたインド洋まで行く問題、これについて話をするならば、国防長官、国務長官を出す意味があるわけですね。ところが、残念ながら日本の場合は、ある意味でアメリカのような形で、それぞれの長がベスト・アンド・ブライテストになっていないわけですよ。したがって、それを議論しようと思ったとしても、それは水面下に隠れている日本の官僚のベスト・アンド・ブライテストなのだろうと思いますが、その方々がやるわけですから、2+2で、話なんかかみ合うはずありませんよね。そこに、きょういろいろ議論してくださっているところの本質的な問題があるんじゃないのかというふうに思います。いかがでしょうか。
山田寛(議長) ありがとうございました。
じゃあ、そのほかの方。じゃあ、古川さん。コンパクトにお願いします。
古川栄一 さっき、太田さんから東アジア協力は重要だというお話があったんです。それでアメリカが反対していると。それで、アメリカによく説明すればわかるんじゃないかというお話でした。ところが、東アジア協力は最初、マハティール首相が提案したのは1990年12月です。それで、第1回首脳会議ができたのは1997年12月ですから、丸7年かかったんです。その間、日本がどの程度したか知りませんが、説得するチャンスは幾らでもあったんです。ところが、日本の外務省は、説得しないのか、説得する能力がないのか知りませんが、7年かけて何もしなかったんです。それで最後に、私が、外務省はだめですからASEAN側に言ったのは、「日本抜きでやったらいいじゃないか」「ASEANと中国だけでやると言ったらいいじゃないか」と、そう言ったら、ASEAN側が「そうします」、「ASEANと中国でやります」と言ったら、池田外務大臣が飛び上がるほど驚いて「日本は出席します」と、それで出席したわけです。それで、そういう既成事実ができたら、ごく最近ですが、アメリカの国務省は、「東アジア協力は結構なものである、日本は大いにこれを推進すべきである」と、こう言ったわけです。ですから、アメリカは、東アジアにおけるアメリカの影響力というんですか、覇権というんですか、何と言っていいかわかりませんが、それをロシアが北方領土を握っているように、自分の私物のように考えて、握ったものは絶対離さないという態度をとったんです。握ったものを絶対離さないというアメリカに対してアセアン側がどういう態度をとったかといったら、知らん顔をして既成事実をつくることなんです。