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すなわち、韓国人、朝鮮人、台湾の人の名前があそこに描いてあるわけなんです。すなわち、沖縄の人たちは、敵のことまで考慮しているわけなんですね。これは、間接ではあるんでしょうけれども、かなり反省している具体的なものだと思うんです。これが特に立派ということは、おそらく、全世界どこへ行っても、敵のことをそういうふうに覚えている印はないんじゃないかと思うんです。アメリカの場合には、ベトナムの記念像があるんですけれども、ベトナム戦争で亡くなられたすべてのアメリカ人の名前は書いてあるんですが、ベトナム人の名前は一つも書いてない。大変対照的ということではあるんですけれども、教科書は言うまでもない、その歴史を語るべきもう一つの場面があると思うんです。これは毎日毎日おわびするという意味ではないんですね。ただ、歴史的事実として認識することなんです。アメリカ人も、インディアンに対する虐殺をやったことは最近になってやっと認めるようになったんですけれども、とにかく歴史の勉強においては、それをもう少しはっきり示したものを出すべきだと思うんですね。

あと、まだまだあるんですけれども、それが主にそうなんですね。

山田寛(議長) コンパクトにお願いします。

岡崎久彦 やっぱり反論せざるを得ないので、ちょっと反論いたしますけど、ジェームソンさんと私とはもう30年以上のおつき合いですけど、ジェームソンさんが覚えているかどうか、初めの10年間のつき合いでジェームソンさんはそういうことをおっしゃったことがないですよ。全くありません。書いたものもありません。これ、全部、82年からの話なんです。これは、戦争が終わってワンジェネレーションたてば大体すべて終わるんです。あとは歴史になるんです。それが日本だけ非常に特殊な事情でありまして、これは一種の反政府運動の一部として、外国の反応を引き出そうという運動があったんです。それが実際には現実にこういう問題になっているんですけれどもね、現に。日本にもそういう問題があるし、外国からも批判があるし、それが現実なんです。現実ですけれども、これはかなり人為的につくられた問題なんです。ですから、今おっしゃったようなことは、初めの10年間でお書きになったものは皆無だと思います。それから、これは、あと5年したらおそらくだれも言わない問題だと思います。

 

 

 

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