そのイスラムは、ハンチントンの有名な論文ではございませんけれども、今後、21世紀の世界を見る上でやはり大きなファクターであり、その影響を受けるのは中国も例外ではないと。そういった地球儀を全体から見た感覚で中国を見ていく必要があるのかなというふうに思っております。
それから、中国とのつき合いでございますけれども、この間、自民党が、軽薄なテレビを流すのはだめだみたいな話で、法案をつくるとかつくらないで、キャスターの方がずらっと並んで「それは言論統制だ」とかと言っておられたんですが、私は李登輝さんという人間のファンでございまして、「ぜひテレビ中継でやったらどうだ」というふうにテレビの方に申し上げたら、「そういうことをやると後で中国からいじめられるから、やめておく」と言うんですね。これこそ言論統制ではないかと私は思ったわけでございまして、そういったところを踏まえての中国とのつき合いというのは、かなり難しいものがあるし、先ほどのODAの話でも、やはり一番額として大きいところは中国でございますので、この辺の見直し方というのは、極めて戦略的に見直していかないといけないというふうに思っております。
ミサイル等の問題も、日本はどうやってつき合っていくかということも大変重要なところだと思いますけれども、これについては、やはり日米関係の一番重要な点を踏まえての結論ということになると思っております。
山田寛(議長) ジェームソンさんね、中国との関係にももちろんまともにかかわり合うんですけど、さっき、戦争の反省の問題と侵略者であったことの反省に立ってと言われたわけですが、日本には、もう随分はっきり謝っているじゃないかという声も非常に強いわけですけれども、具体的にどういうふうにしたらいいと思いますか。
サム・ジェームソン 例えば、8月15日には毎年、日本は終戦の記念日の式典があるんですね。幸い、そこでは、最近、ある種の小国に対して多大なる被害を与えたという文章がやっと入ることになったんですね。それは1つ、言える場面であるかもしれないんですね。侵略という言葉はなかなか使いたがらないというのはわかるんですけれども、使ってもいいんじゃないかなと思うんです。自分の戦争の敗戦を記念する以上は、相手を考えるべきだということだと思うんですね。
沖縄には平和の礎があるんですね。沖縄戦争で亡くなったすべての人たち、すべての日本人、すべてのアメリカ人の名前が一々、正確にきれいにその石に描いてあるわけなんですね。