山田寛(議長) じゃあ、伊藤理事長。
伊藤憲 ひとつ論点に加えていただければと思うのはロシアとの関係なんですけれども、だんだんはっきりしてきていることは、ゴルバチョフが登場して、エリツィンが登場して、東京宣言を締結して、クラスノヤルスク合意をして、日本側はかなりのユーフォリアというか、根拠のない対露楽観主義に陥ったわけですが、ここに来て、プーチン政権が発足してだんだんはっきりしてきたことは、ロシアの本質はほとんど何も変わっていないことではないでしょうか。対日姿勢も1956年に日ソ交渉を行ったときのソ連と同じ立場に平気な顔をして逆戻りしているのが今のプーチン政権で、これはさかのぼってみると、ロシアの体質というのは、ソ連時代だけじゃなく、さらにさかのぼって帝政時代から続いているものが一貫して基本的に何も変わっていないということなんだろうと思うんです。そうなると、ロシアという国は帝政時代、ソ連時代を通じて我が国にとって最大の安全保障上の脅威であり続けた国であって、この国との関係、つまりプーチン政権というのは、安定しており、今後彼が健在な間は、だから30年くらいも続く可能性があるわけで、そういうものであり続けるロシアとの関係、というのを我々が考えたとき、まず1つは、もちろん日米同盟というものをきちっと維持するという必要性が改めて確認されるということですが、第二には中国との関係についても、日本は対露、対中の二正面対決路線などというのをとることは望ましくないので、対中関係をどういうふうにマネージしていくかということは、やっぱり重要だと思うのです。これからの対露関係ということも念頭に置いて、対中政策を考えゆく必要があるんじゃないかと。ちょっと一言、そういうふうに感じます。
山田寛(議長) どうもありがとうございました。
伊藤さんがロシアのことも言われたので、特に今度、ブッシュ政権が、NMDとかTMDとか、そうしたものを進めるぞと、特に自分のところの国のNMDのほうを進めるぞというと、当然、中国、ロシアとの非常に厳しい綱引きになってくると思うんですが、そうした状況の中で、じゃあ、どういうふうになっていくのか、そういうようなことも触れていただければと思います。
小池さん、お願いします。
小池百合子 その前に、ロシアの話が出て一言申し上げようと思ったので、その点、加えさせていただきたいんですが、中国の見方で、ロシアとも国境を接しておりますけれども、中央アジアの各国とも接していて、この辺のイスラムの動きというもの、詳しくは、私、この中に述べておりますので、また読んでいただければよろしいかと思います。