それでは、サム・ジェームソンさん、お願いします。
8. コメント:サム・ジェームソン ジャーナリスト
サム・ジェームソン 端的に、話題は2つだけに絞って発言をさせていただきます。
1つは外交ですね。太田さんが言ったように、時々、アメリカが日本の提案を批判するということがあるんですけれども、日本の提案はなかなかいいものが多いんです。アジア通貨基金はその1つだったんですね。しかし、日本は一応提案を出して、それからすぐアメリカの反対があって提案を引っ込めたんです。あまりしつこく主張しなかったんですね。1年ぐらいたって、アメリカの中には日本のアイデアを支持する人が出てきたんですから、いいアイデアがあるときには、もう少しそれを強硬に主張すべきであると私は思うんです。特に考えなければならないのは、提案しない国が忘れられる国になると思うんですね。
その関係で、海洋国家とは関係ないんですけれども、国連の安全保障理事会常任理事国、拒否権つきで日本がなるべきであるということは言うまでもない。中国の地位と異ならないように、拒否権を持っている常任国家になるべきであるということですから、日本はそれを含めて主張を続けるべきだと思うんですね。
軍事の面においては、きょう、ここでは「開かれた日本」という言葉がよく聞かれるんですけれども、軍事の面においては2つそれが必要だと思うんですね。1つは、憲法第9条ということは、日本が侵略をさせないためにつくられたということは言うまでもないんですけれども、日本はいかなる場合においても海外の戦いに参加する必要のない条項ではないと私は思うんですね。すなわち、今までにも、どうも日本人は、憲法9条ということが徴兵免許の特典ですか、そういうふうに解釈してきたんです。戦いがあるならば、それはアメリカの問題だと。あるいはほかの国の問題だと。それは、半世紀もたって21世紀に入るところでは、だんだん支持されるような考えではなくなると思うんです。したがって、集団防衛ということは国の基本になるべきであって、今、禁止されている正反対のことになるべきだと思うんです。集団防衛であるならば、日本独自の国家利益だけのために動いているものではないんですから、侵略になり得ないということもわかると思うんですね。常識として考えても、集団防衛ということは、2カ国が一緒になって第三カ所を防衛するものなんですから、それは安保条約もその中に含まれているわけです。