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韓国の金大中大統領の任期、江沢民主席の任期、そして日韓ワールドカップの開催といったイベントが幾つも重なります。時間軸を設けた戦略の設定、それを長期に考えられる戦略をつくるための戦略を考えなければなりません。ちなみにクリントン大統領の任期の間に日本では7人の総理が入れ替わりました。私はその渦中におり、政務次官などもさせていただきましてつくづく思うのでございます。任期は大体10カ月なんですね。何もできないんですね。さあこれからという時に、次の人にバトンタッチです。1つ大きな提案をするとすれば、1選挙1内閣ということです。1選挙1内閣への定着こそが政治主導、リーダーシップ確立への一番早い道ではないかと思っております。

以上です。

山田寛(議長) どうもありがとうございました。

評論家の櫻田淳さん、お願いします。

 

7. コメント:櫻田淳 評論家

 

櫻田淳 結論を先に申します。今後の日本の海洋国家としての構想を考える上で私が一番重視しておりますのは、かつて「南洋」と呼ばれた国々、具体的に言いますと、パラオ共和国、マーシャル諸島共和国あるいはミクロネシア連邦といった国々と提携を進めることです。戦後、日本という国はどういうわけか、この国々との良好な関係を築こうという意志を全く持っていませんで、関心をきちんと持っていなかったわけでございます。つい最近まで、日本の要人、大臣レベルですけれども、この三つの国に行った例はございません。先月、衛藤外務副大臣がパラオ共和国の大統領就任式に行ったというのが、おそらく初めての事例です。それだけ関心を持ってこなかったわけでございます。今後は、こういう国々との関係をきっちりつくり直していただきたいというのが私の意見でございます。

このことについては三つの理由がございます。一つは、これはおそらく日米同盟というものをきちんと見直すきっかけになるだろうというのが私の意見でございます。この国々の安全保障は、今、アメリカが多く肩がわりしています。つまり、これらの国々は、アメリカと自由連合という形を結ぶ形で安全保障上の負担というものをアメリカに担ってもらっているわけで、もし日本がこれらの国々の安全保障を少しでも担うという形でアメリカと協力するということができるならば、これはかなり有意義なことじゃないかという気がしています。

 

 

 

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