私の申した東アジアの地域協力体制の強化の構想は、海洋同盟としての日米同盟を基軸に据えつつ、東アジアに、五百旗頭先生の言われたような開かれた多元的国際システムを築こうというものであります。
どうもありがとうございました。
山田寛(議長) どうもありがとうございました。
それでは、すぐコメントを5人の方にいただいて、それで一たん休憩して、それから自由な討論というふうにいきたいと思います。
これはアイウエオ順になっていると思うんですけれども、今度は5分間ですから、チャイムは「あと1分」で鳴りますので、念のためによろしくお願いします。
それでは、まず、防衛次官をされた秋山さん。
4. コメント:秋山昌廣 ハーバード大学客員研究員
秋山昌廣 時間が限られておりますので、私から、今、説明のあった2つの課題について、3点ないし4点、コメントさせていただきたいと思います。
第1点は、日・米・韓の3国調整の点であります。私も、このペリー調整は外交歴史的に見ても極めて成功したというか、大きな影響を持つ調整であったと思います。ただ、2点申し上げたいのは、先ほどガイドラインの話もちょっと出ましたけれども、多分、朝鮮半島に関する物理的なコンフリクト、例えば戦争といったような問題も含めまして、ちょっと荒っぽい言い方をすれば、本問題は終わったのではないかというふうに私は思うんですね。例えば、ちょっと象徴的な言い方をすれば、自衛隊の活動に慎重な考えを持っていると考えられている野中幹事長でも朝鮮半島有事の場合には腹は決まっているというふうに私は思うんです。という意味で、この問題は終わったと。
ただ、逆の意味で、今、非常に不安定な要素が出てきている。日・米・韓の3国調整がある意味で成功裏に終わったというのは、対象が北朝鮮だったからなんですね。北朝鮮が敵だから、日・米・韓が一致できたと。しかし、本格的にはいかないと思いますが、仮に北と南がリユニフィケーションに向かって、仮想でも政治的にそういう雰囲気が出てくると、今度は北が敵ではなくなるわけですね。そうすると、日・米・韓というのは一致できるかという問題があると思うんです。