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極東については、陰に陽にはっきりと中国じゃなしに日本なんだと。同盟国・日本とやっていくんだと。中国は別なんだと、そういうことを非常にはっきり言っております。それから、就任の演説でも同盟国中心ということを非常にはっきり言っております。

ちょっと細か過ぎる話なので余計なことかもしれませんけれども、ラムズフェルドのコンファメーションのトランスクリプトを読んでおりましたら、彼は同盟ということを言っていないですね。あれはちょっと気になるんですけどね。

むしろ結論から言えば、共和党といっても、アーミテージ、ウォルフォビッツのジェネレーションというのは、日米同盟が一番盛んなときの人なんです。日本は戦略的に重要で、しかもお金があって、どんどん軍備にお金を使ってくれて、それで非常に信頼できる相手だと思っていた時代の人なんです。ところが、共和党といってももう一つジェネレーションがありまして、そのもう一つ前にニクソン・フォード時代、つまりキッシンジャー・ラムズフェルドのジェネレーションがあるんですね。その人たちの日本感覚というのは、これはまた別のものだろうと思います。あのころは日本というのは防衛が全く頼りにならなくて、経済的に面倒な国で、中国はちょっとおもしろくて役に立ちそうな国だった、そういう時代ですからね。ですから、やっぱりジェネレーションというものはあるだろうと思います。

そこで、結局、今後、日米同盟をどうするかということですけれども、アーミテージ・リポートでも、ガイドラインまではいいと。だけど、あれはシーリング(天井)じゃなしに床だと。ここから先に進んでくれと、そういう話なんですね。ところが、ガイドライン法をつくっている最中の作業に従事した人全部の意見ですけれども、集団的自衛権を行使できないという仮定のもとならば、あれがぎりぎりです。あれ以上はどうにも進みません。あれが天井じゃなしに床だ、あれがスタート・ポインティングだということを言われたら、とにかく集団的自衛権の行使に何か手をつけない限りは先へ進みません。これが今後の日本の課題だと思います。

山田寛(議長) どうもありがとうございました。

とりあえず基調報告をどんどん続けてお願いするとして、今度は、日本国際フォーラム専務理事の太田さんにお願いします。

 

 

 

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