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海洋力というのは、まず直接的に何を目的にして、最終的に何を目的にするのかというのは大変議論の対象としておもしろいところでしょうし、森本先生も、多分時間がなくて十分お話しになっていないと思うんで、そこは伺ってみたいと思うんです。

最後にちょっと私の結論から申し上げますと、日本というのは海洋国家として、海岸国家という話もありましたが、海洋国家としての利点というのは十分あるし、他方で農業基盤もあれば生産基盤もある、ある程度、資源もあるということで、極めて有利な国家だと思うんです。過去の歴史、安全保障の面でも非常に有利だった。ですから、日本という国が今後、非常に悲観的な意見もあるわけですけれども、基本的に私は日本というのが世界各国の中で不利な立場になるような国ではあり得ない。したがって、そういう与えられた好条件をお返ししなくちゃいけないんじゃないかという意味において、海洋国家日本の、世界の発展と平和へのお返しをどうしたらいいのかというようなことを考える次第であります。

以上です。

伊藤憲一(議長) どうもありがとうございました。

午前中の議論の一般的なテーマに対するコメントをいただいたと思うんですが、ちょっとここでもう一度、さっきの人口の問題、これは日本の国の骨格にかかわる問題だろうと思うんで、もうちょっとこだわりたいと思うんですが。櫻田さん、そのテーマですか。評論家の櫻田さんです。

櫻田淳 櫻田でございます。

今、伊藤理事長のほうから、移民、その他のことについて、いろいろお話があったかと思いますけれども、おそらく日本という国は、天平時代の渡来人をはじめとして、外からいろんな人材を受け入れてきた歴史を持っていると私は思っています。ですから、人材をとにかく受け入れるということで考えれば、移民を受け入れるという言い方が正しいかどうかはともかくとして、いわゆる外からの技術、知識を導入するという観点で物を考えれば、これからの海洋国家という自らの立場を確実なものにするためには、ちょっと考えておいたほうがいいのではないかと私は思います。

この件に関連して、今、国会のほうで、国籍の取得要件を簡素化しようかという話があるみたいですが、私はそれはもう少しまじめに考えてやっていただいたほうがいいと思っています。

 

 

 

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