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石井先生がバーチャルの世界と言いましたけれども、昔、面の世界でしかなかった海洋が、そういう技術力の加速度的な発展によって、非常に多次元な世界になりつつあります。

コメントの中でも申しましたけれども、海とかかわるということは、技術を発展させるということにもなるわけで、私は、日本は技術立国であることと、それから海に関することから離れていってはいけないと思います。

それと、海というのはどうしても同盟関係を必要とします。日本も海洋国家として、どのような国と同盟を結んで、どのような国際政治を展開していくのかというところも大事なところではないかなと思います。

伊藤憲一(議長) どうもありがとうございました。

世界全体を見ても、東アジアを見ても、それぞれの国家がどこまで意識しているかいないかは別にして、大陸性の国家と海洋性の国家が入り交じって拮抗しているわけですが、そういう中で、日本が自国を海洋性の国家として自覚し、その可能性を探るという観点に立ったときに、地政学的な配慮と同時に、価値観的なよって立つ基軸のようなもの、それからまた技術論的に石井さんからご示唆があったような点の、どこにどう配慮していく必要があるのか、そのあたりをご議論いただければと思うわけでございます。パネリストの方、どなたでも結構でございますが、名札を立ててくれるか、ちょっと手でサインしていただければと思いますが、いかがでございますか。長谷川さん、どうですか。

長谷川和年 ちょっとこの範疇から無関係ではないんですが、外れたことでもよろしいですか。

伊藤憲一(議長) どうぞ。結構ですよ。

長谷川和年 先ほど山田さんがおっしゃったんですけれども、緒方貞子さんが、外から見た日本というのはやっばり内向きであるということだったですね。これは私、海洋国家を目指す日本としては非常に残念な話です。話は飛ぶんですけれども、1997年に厚生省の社会保障人口問題研究所が将来の日本の人口の推計を出しまして、これによりますと2007年から人口が減り出して、2050年には日本の人口が1億になるとのことです。これは大変だ、外国から労働者を入れないといけないとか、いろんな話が出ました。私は、人口を人為的に削減することは、減らすことは、宗教的、倫理的に許せませんが、自然に減少することはいいのではないか。これに逆らうべきでないと私は考えます。

 

 

 

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