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場所も場合によっては変えちゃう。これがなかったら、その揺らぎが吸収できないわけです。例えば自動車がおくれ出した。だけど、そのおくれを見込んで、早く行って、じっと待っているというのが従来のやり方であります。ということは、それはロスであります。むしろ、揺らぎが起こったときに、十分それを吸収できるようにリアレンジすれば、効率としてはよくなるわけであります。逆に言いますと、最適化を図っていきますと、特に臨界状況、ぎりぎりにおいては大体揺らいでいるわけです。揺らぎを避けている限り、揺らぎが吸収できるような方式でやっているところと競争すれば、それはとても勝てないわけであります。さっきのように空間自身も変えることをやりますと、ますますこれが使えますから、だから、都市構造なんかも、今これが使えないというか、ITがなかったときにつくりましたから、全然効率が悪いわけです。ITを使えるように全部変えちゃえば格段に変わります。

しかし、皆さんも携帯電話を持っているときお困りだと思います。特に女性は困りますね。現在のこういう服ができたのは、ITがないときにできた服なんですね。ところが、みんな持つようになって、肌身離さずいつでも持つようになったら、これをどこに入れておくのかということで、服が変わると思います。ウェアラブルといって、服自身が通信対応にできるようになるはずです。そのファッションショーなんかも2年前ぐらいからやっておりまして、どんな服になるだろうかという研究もやっております。

アジアが非常にこの面ではおもしろうございまして、アジアというのは、今、繊維産業が非常に伸び盛りでございます。優秀な人材が行っております。一方で、ITも現在アジアを抜きにして世界のITは考えられないぐらい、少なくともハードなんかでは東アジア、それから西アジアもインドではソフトウェアと、両方で、かつてのアジアの技術はおくれていて、おんぶに抱っこみたいな感じで技術社会の後ろのほうを走っていたと思っていたのが、今は全くがらっと変わりまして、ちょっと後ろのほうに落伍し出したのが日本じゃないかと言われるぐらい、周りの国は、このiモードを除きましては元気がいいわけです。

だから、ファッションといいましても、時代を先取りする、そういう人々の好みというのは、こういうITが入った服に変わったときに、ちょうど農業社会で着物を着ていたのが洋服に変わって工業化が始まったような意味で、私は絶対本格的ITの時代になれば着ているものさえ変わる。それを変える力は、みんなのファッションの好みじゃないか、つまり人々の意識や感性だと思います。

 

 

 

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