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ちなみに、そういう点で言うと、私はいつも考えているのだけれども、日本の最近、若者がいろいろな問題を起こしたりしていますけれども、一度、例えば修学旅行でラオスに連れていく。そうして、ラオスの子供たちがいかに、例えば飢えという問題と格闘しているかということを見れば、大分視点が変わってくるのではないか。そういう国がまだ世界にはたくさんいる。日本の子供は、そういう点では恵まれた生活をしていながら、あるいはあまりにも恵まれ過ぎて行き先が見えなくなってしまっている。ですから、そういう貧しい国の視点に度立ってみるのもいいのかなという感じがしております。

伊藤憲一(進行司会者) どうもありがとうございました。

結局、日本自身がどういう生きざまをするかということが問われているのではないかなと思います。そういう意味では海洋国家というテーマを掲げてまいりましたけれども、「言葉どおりの海洋」というよりも、「理念的な海洋」を頭に描いて議論してきたような気がいたします。

そして、もう一つ、きょうの最後の議論で皆さんの意見、発言が集中したように、黙々として日本なりの国づくりをするというだけではだめで、やはりそれを対外的に発信して、伝えていく表現力を磨かなければいけない、それがどうやら結論だったように思います。

ほんとうに皆様、1年間、ありがとうございました。本年の4回の自由討論会合の内容は、単行本にとりまとめまして、来年の2月2日の円卓討論会までには出版できるようにしたいと思っております。

円卓討論会につきましては、また改めてお願いをすることになると思いますので、その節はよろしくお願いいたしたいと思います。

それでは、森本さん。

森本哲郎 ちょっとつけ加えさせて下さい。さきほど私は海軍力と言いましたが、海軍というと軍事に限定されてしまいますから、「海洋力」と言ったほうがいいと思います。つまり、海底資源の開発や、光通信を海底に敷設するなど、経済、交通、コミュニケーシヨンの場として海を平和利用する「海洋力」という言葉に訂正させていただきたいと思います。

伊藤憲一(進行司会者) 「オーシャン・パワー」ですね。「オーシャン・パワー」という概念には、対外発信力までも含めて考えてみたいですね。それでは、皆様、どうもありがとうございました。これをもちまして閉会させていただきます。

 

〔文責事務局〕

〔禁無断転載〕

 

 

 

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