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今、日本人というのは、確かにいろいろな議論を、教育改革や憲法改正から経済改革までしているわけです。そのときに世界からはグローバリゼーションそのほかで、ああしろこうしろと言ってくるわけですが、これを巧みに選択的に採用して、日本独自の問題解決のモデルをつくり上げる、そして、世界が、なるほどそういう解決方法があったのかと感心する、そういう21世紀の超近代文明を日本国土につくり上げるということが、実は日本の世界的貢献であり、地域的貢献だろうと思うわけです。多分南北問題の解決というのも、日本がODAを、お金をばらまくということではなくて、南の世界が「なるほどそういう生き方があったのか」と思うようなモデルを日本人が国内に築くということで、南北問題の解決に寄与し、超近代文明の形成に貢献する、そしてさらには東アジアの地域協力体制の強化に寄与する、こういうことではないかな、というふうに私、考えるわけであります。

小林さん、お願いします。

小林学 少しリラックスした意見を述べさせていただきます。

日本は欧米化したか? いや違う。じゃ、日本は日本古来のものを守って近代化したのか? いや、これも違う。

日本は戦後に、歴史的な文化の全てを全面的に放棄したのではないですか。そして欧米型の民主主義、自由主義の教育に、文部省も国を挙げて一生懸命精を出したというのが実状ですね。親も、教師も、家庭も、学校も、社会も、日本文化というものを子供達に教えることは一切なかった。しかも核家族化が進み、日本独特のカルチャーなど生まれようもない環境となったのだから!なのに日本は異質な文化と言われ、外国とカルチャーの違いが非常に大きいと現在も言われ続けています。

島国日本は明治維新から、特に昭和20年の敗戦以降は日本人は常に欧米に憧れて、憧れて、欧米を真似することに必死になった。しかし欧米文化に同化できなかったから、皮肉にも日本独特のオリジナル化ができてしまったのだと言いたい。

 

 

 

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