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日本の100分の1ぐらいかな。なぜか。半分は負け惜しみもあると思うんですけれども、アメリカはナビゲーション、カーナビなんか要らないように町がきちんとつくられている。日本はわかりにくい上に、渋滞まであって、よくわからない。未知が多いわけです。だからだと言われるんだけれども、しかし、確かにそう言われてみたら、わかっているときにナビゲーションをする必要はないわけですから、わからないからナビゲーション、宇宙もわからないからナビゲーション、それから、ゲノムもわからないからナビゲーション。

現在、ネットサーフィンとか波乗りみたいなことを言って、Webの中も非常に大きなインターネットの中を動こう。これもなかなかわからないわけです。ハッカーがあったり、いろいろわかりませんけれども、要するに非常に揺らいでいるわけです。揺らぎというのは、本格的に取り組み出したのは、人類というのは大体1970年代でございまして、パソコンなどがどんどん出てきて以来で、要するに複雑系の時代に入ったわけです。複雑系のシステム理論を本格的にやり出した。一般には80年代から90年代だと思いますが、これが実際にどうしても必要になったのは、インターネットなんかが今、起こってきたからだと思います。

もう時間がなくなりましたので、次回またいろいろ申し上げたいと思います。

伊藤憲一(進行司会者) 次回は石井さんに問題提起をお願いいたしますので、たっぷりよろしくお願いいたします。

私、一言だけ最後に感想をつけ加えさせていただきますと、海上覇権国というのは必ず陸上覇権国と対決し、やがて衝突するようになる。過去の例で言うと、カルタゴはローマと対決せざるを得なかったし、ヴェネチアもまずオスマントルコと、それからナポレオンのフランスと対決せざるを得ず、最後はそれによって滅ぼされるわけです。またスペインにしても、あるいはオランダにしても、結局はフランスの陸上覇権によって最終的にとどめを刺されるわけです。またイギリスは、第1次大戦、第2次大戦を通じて結局、大陸国家であるドイツとの対決を強いられたし、アメリカも冷戦期においてソ連との対決を経験したわけです。これらの対決はいずれも海上覇権国と陸上覇権国の運命的な対決であったように思われるわけです。

そういう歴史を振り返ってみたときに、なぜカルタゴ、ヴェニス、そのほかの海上覇権国は結局、ローマ、トルコあるいはフランスに屈したのに対して、イギリス、アメリカはドイツ、ロシアとの戦いに勝ったのか、この違いを考えてみることが重要になると思うのです。

 

 

 

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