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ただ、政府がどうのこうのというのは、これは長い意味での日本の構想とは次元が違うと思いますけれども、経済のお金が出せないんだったら、田中明彦さんなんかが言われる「言力」、言葉の力とか、あるいは汗とか血で地域秩序、特にアジアの秩序を日本が先頭に立って構築していくという努力をできたら期待したい。けれども、ちょっと難しいかなと思います。

伊藤意一(進行司会者) どうもありがとうございました。

それでは、石井さん、お願いします。

石井威望 皆さんのお話に大変知的に刺激を受けておりまして、改めて海とか海洋ということを考えさせられているんですが、私も技術関係でよく宇宙のことを「新しい海」と言うんです。特に西欧では、かつての大航海時代などの海と同じような意味で「新しい海」と宇宙のことを意味しているんだと思いますが、その特色は何かというと、未知だという部分がある。だから、そこから出てくるものはニューズです、新しいこと。きょうもたくさんニュース関係の方が見えている。海を論じるのはいいのかと思いますけれども、未知なる情報で今、一番大きなのは、ちょうど原油が噴出するような意味でどんどん出ているのが、1つはバイオでございます。バイオのDNAの部分です。ゲノムなどが今、ヒトゲノムなどもそうでございます。もう一つが宇宙、ハッブル宇宙望遠鏡でもそうです。もう一つが、モバイルインターネットというか、iモードとか、そういうのが急速に出ている。

言葉の連想でいきますと、ゲノムナビゲーションなどという言葉があります。つまり、ゲノムの情報がものすごく出るものですから大海原みたいだ。これ、どういうふうにして整理してうまくやればいいんだろうかというシミュレーションなどをします。バイオインフォマティックスなどといって、コンピューターを一番ふんだんに使っているのは、実はセレーラ・ジェノミックスなどヒトゲノムの解析をしているようなベンチャーがスーパーコンピューターなどの一番いいのを使っている。未知なるものの象徴としての海と。よくわかっている場合には、ナビ、ナビゲーションというのはあんまり要らないかもしれないです。

カーナビってございますね。日本は世界で一番飛び抜けてカーナビが普及し、500万台ありますけれども、アメリカがあんまりないんです。

 

 

 

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