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20年毎に遷宮をして、物質を超越した永遠の命・存在感をつむぐ伊勢神宮にシンボライズされる、究極のしなやかさを日本はもっと活かすべきでしょう。

そのためには、森本先生がおっしゃられた通り、意識的に「海彦」の部分をもって前面に押し出した日本を、21世紀は構築しなければならないと思うのです。

伊藤憲一(進行司会者) どうもありがとうございました。

それでは、江畑さん、お願いします。

江畑謙介 江畑でございます。

森本先生のお話をお聞きして、たしか森本先生が監修なされたのではと記憶していますが、前に日曜の夜8時からTBSの「ニッセイ・ワールド・ドキュメント」という番組がありましたが、まさにあの番組を見ているときを思い出しまして、非常に懐かしい感じがいたしました。

何度か私の名前を出していただいてほんとうにありがとうございました。弁解させていただきますと、私が森本先生にお教えしたというほど偉そうなことではなく、単なるデータでございまして、インドにおける国防費の中で海軍の占める割合はこの程度でございます、したがって、そう短時間で大した脅威にはならないでしょうという推測とか、中国の現在の海軍力はこの程度というあくまでも現時点の話であって、今後果たしてインド、中国がどのぐらいの海洋民族になり得るかというような予測を方向づけるようなことまでは言っておりません、という点をここで強調させていただきます。

ただ、最後に先生がちょっとご指摘いただいたように、私は今後100年たっても、海の輸送力が物流の主力を占めることには変わりないという絶対的な確信がありますので、その点を指摘させていただいたのは真実です。

1つだけ簡単に質問だけさせていただきますと、この会で2年間に行なわれた『日本のアイデンティティ』及び『21世紀日本の大戦略』に関する研究報告書を読ませていただいても、それから、今、森本先生のお話をお聞きしても、どうしても私自身、一点よくわからないのは、何をもって海洋民族と言えるのかという点がわからない。もちろん人によって違うと思いますので、ここでお聞きしたいのは森本先生個人の解釈で結構でございますから、それをお聞かせいただきたいと思います。

 

 

 

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