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先ほど申しましたように、港湾での滞留時間も短縮する動きが強まっているという中で、おそらく、海外のコンペティターも今まで以上に日本市場といったものに注目し、進出してくるというようなお話が、今後益々出てくると思います。

そういった時に、どういうことになるのかと申しますと、今までは外国企業にとっては、紙ベースの手続きが中心でしたので非常に大変でしたということを書いてあります。(図49、50)

ここも(図51)同じように、今まではこういったいろいろな日本の商慣行、あるいは書類手続きといったものが大変であったということで、ある意味ではこれが日本の特性を理解できない外国企業にとっては、なかなか日本市場に入りづらいということも、一因としてあったかもしれませんが、先ほども申しましたように、これから標準化、電子化というのが進むと、ある意味でスピードアップもする反面、垣根も低くなってくるということだろうと思います。

そうしますと、これ(図52)が今、言われております行政のワンストップ化のイメージでございまして、例えば先ほど申しましたように、税関のシステムあるいは港湾のシステムといったものがだんだんつながっていく。ワンストップ化といったものが進んでくると、船会社、通関事業者、海貨事業者といった方々も、先ほど申しましたように自社のこれまでのビジネスの範囲を越えて、サプライチェーンマネジメントの中でビジネスの拡大といったものが要請される。この全体の業務のやり取りが日本企業の中だけでなく、海外の企業も含めて一層激しい競争関係が起きてくるというふうに思っております。

これ(図53)、見にくくて恐縮ですが、国際物流、国際商取引、荷主、トラック業者、船会社、フォワーダー、官庁など、要はモノの流れ、お金の流れ、情報の流れの接点というのが、非常に拡大してくるということでございます。従いましてどこの業界におられる方々も、やり方次第によっては、いろいろな分野に参入しやすくなっていく。また、官公庁側では、IT化によりまして、スムースな行政手続きあるいは電子化という形でIT化に対応した施策を展開されていくという形になりますと、まさしくこの一連の流れの中で、どのようなポジションを各社がお取りになるのかが、これからのビジネスを展開する上での非常に大きなポイントだということでございます。

実は私どもでは昨年、プレジデント社から、「港湾IT革命」という、大前研一さんが監修された本を出版いたしましたが、この中で4点ほどポイントを述べております(図54)。

1つはSCMということで、まさしく一連のつながりといったものを荷主側が求めていく中で、行政側としてはプラットフォームを統一して、SCMを海外と日本の間でやり易くするサービス、システムを作る必要があるということでございます。これにつきまして先ほど申しましたように、Sea-NACCSをはじめ、そういった方向にあるということでございます。

 

 

 

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